楽天モバイルを利用していて、「急に圏外になって電話もデータ通信もできない…」「エリア内のはずなのに繋がらない」といった不安を感じたことはありませんか? 本記事では、楽天モバイルで圏外が発生する理由と具体的な対策を、モバイルネットワークの仕組みや最新のエリア拡大状況を交えながらわかりやすく解説します。
記事のポイント
楽天モバイルで圏外が起こる原因と背景(高周波数バンドの特性や基地局数)
700MHzプラチナバンドや5G/Sub6など最新ネットワーク拡大状況
圏外になったときに試すべき具体的な対処法
エリア確認やサブ回線併用といった長期的な改善策
利用者の体験談から学ぶ注意点と成功事例
1. 楽天モバイルが圏外になる理由と背景
自社回線とパートナー回線の違い
楽天モバイルは2020年4月に自社回線のサービスを開始しましたが、短期間で全国をカバーすることが難しいため、au(KDDI)のネットワークを借りる「パートナー回線」も併用しています。楽天回線だけでも人口カバー率は96%を超えますが、パートナー回線と合わせることで99.9%以上の広いエリアをカバーしています。パートナー回線は電波が届きにくい山間部や建物内を補完し、楽天回線が繋がらないと自動的にau回線へ切り替わるため、ユーザーが手動で切り替える必要はありません。
高周波数バンド3の特性と建物内の弱さ
楽天回線の4G LTEはバンド3(1.7GHz)を主に使用しており、高速通信が可能な一方で周波数が高く建物内や地下では電波が弱くなるという課題があります。そのため地下鉄やショッピングモール、マンションの奥などでは圏外になりやすいのです。
700MHzプラチナバンドと5Gの展開
この弱点を補うため、楽天モバイルは2024年6月から700MHz帯の「プラチナバンド」運用を開始しました。プラチナバンドは低周波数のため建物や障害物を回り込みやすく、これまで電波が届きにくかった場所での改善が期待されています。また楽天モバイルの5Gはn77(3.7GHz)のSub6とn257(ミリ波)に対応していますが、現状はSub6が中心。Sub6は4Gよりエリアが狭いものの高速通信が可能で、首都圏を中心に拡大中です。
パートナー回線終了の予定
注意点として、現在利用できるauのパートナー回線は2026年9月末に原則終了予定とされています。それまでに楽天回線の基地局拡大が進む見通しですが、地方や山間部ではエリアが狭い時期もあるため、事前のエリア確認が重要です。
2. 圏外を改善する具体的な対策
楽天モバイルが圏外になった場合でも、端末側の操作で改善するケースが多くあります。以下の手順を上から順に試してみてください。
1.モバイルデータ通信と機内モードのオンオフ
設定画面からモバイルデータ通信を一度オフにして再度オンにすると、ネットワーク再取得につながります。同様に機内モードを10秒ほどオンにしてからオフにすると電波を掴み直します。
2. 端末の再起動
スマートフォン本体を再起動することで、ネットワーク設定の不具合が解消される場合があります。電源を切って数分置いてから再起動するのも有効です。
3. SIMカードの抜き差しとAPN設定の確認
SIMトレーを開けてカードを抜き、端子部分を乾いた布で軽く拭いてから差し直します。その後APN設定が正しいか確認してください。不要なAPNプロファイルは削除し、「自動」設定を選びましょう。
APNの手動設定についてはこちらの記事をどうぞ👇
https://kakuyasusim.site/rakuten-apn-manual/
4. ネットワーク設定リセットとOS更新
設定アプリからネットワーク設定をリセットする、またはiOS/Androidや楽天リンクアプリを最新バージョンへ更新することで改善することがあります。
5. 5G/4Gの切り替え
5G設定をオフにして4G優先に変更すると安定するケースがあります。逆に混雑時には5Gに切り替えることで改善することもあるため、状況に応じて試してみましょう。
・Androidの場合
- ホーム画面の「設定」を開き、「ネットワークとインターネット」をタップ
- 「インターネット」をタップ
- 歯車マークをタップ
- 「優先ネットワークの種類」をタップ
- 「4G」もしくは「5G(推奨)」をタップ
・iphoneの場合
- 「 設定」を開く
- 「 モバイル通信」をタップする
- 「 通信のオプション」をタップする
- 「 音声通話とデータ」をタップする
- 「5Gオート」または「5Gオン」を選択する
6. Wi‑Fi通話(VoWiFi)の活用
屋内や地下ではWi‑Fiルーターに接続し、楽天リンクのWi‑Fi通話を利用すると圏外でも通話が可能です。自宅のWi‑Fi環境を整えるのも効果的です。
7. サポートへの問い合わせと通信障害情報の確認
上記を試しても改善しない場合は、楽天モバイルのサポートに連絡して障害情報や設定内容を確認してもらいましょう。公式サイトやSNSで通信障害の情報が出ていないかチェックすることも大切です。
楽天モバイルへの問い合わせについてはこちらの記事にまとめています👇
3. エリア確認と長期的な改善策
公式エリアマップで確認
楽天モバイルの公式サイトには4G・5G・パートナー回線のエリアマップが公開されており、自宅や職場がカバーされているか確認できます。濃いピンク色が楽天回線、緑が5G Sub6、青がミリ波と色分けされているので一度チェックしてみましょう。楽天モバイル公式エリアマップ(https://network.mobile.rakuten.co.jp/area/)
プラチナバンド対応機種への乗り換え
700MHz対応端末を選ぶことで屋内・地下の電波状況が改善されます。楽天モバイルが動作確認している「Rakuten Certified」端末であれば主要バンドに対応しているので安心です。
楽天回線対応製品一覧(https://network.mobile.rakuten.co.jp/product/certified-products/)デュアルSIMやサブ回線の併用
電波が弱い時間帯や場所では、povoやLINEMOといった別回線を併用する方法もあります。デュアルSIM対応スマホなら楽天モバイルを主回線にし、サブ回線で通信を補うことができるため、安定性が向上します。ホームルーターや基地局設置の申請
自宅で常に圏外になる場合は、楽天モバイルが提供する宅内用の簡易基地局(アンテナ)設置を申請する方法もあります。ネット上のフォームから電波状況を報告し、改善依頼を出すことが可能です。
4. 端末選びとサブ回線運用のポイント
楽天を快適に使うコツは、難しい用語を覚えることではなく、相性の良い端末を選び、必要なときだけ他社回線で“保険”をかける運用に切り替えることです。まず端末は楽天の「動作確認済み端末」に載っている国内版・SIMフリーを選べば、大きな失敗はありません(例:iPhone 12以降、Pixel 6以降、国内版Xperia/Galaxyの比較的新しいモデル)。海外版や改造ROMの端末は、設定や通話アプリで思わぬ不具合が起きやすいため避けるのが無難です。
サブ回線は、地下や屋内、山間部など楽天が弱い場面でデータ通信だけを肩代わりしてくれる“非常用の回線”です。ふだんの電話や請求は楽天のまま、必要なときだけデータをサブへ逃がす——このシンプルな考え方でOKです。
サブ回線の選び分け(早見表)
サービス | 回線系統 | 使いどころ | 課金イメージ | 相性の良い人 |
LINEMO ミニプラン | ソフトバンク | 都市部・屋内の安定感を確保 | 毎月少量の定額データ | 平日も安定が欲しい |
povo | au | 旅行・イベント時だけ増強 | 基本0円+必要日だけトッピング | たまにだけ補強したい |
IIJmio / mineo | ドコモ/au | 月コストを下げつつ保険を確保 | 小容量や低速を安価に | 常時は低速でもOK |
設定はシンプルです。端末ごとに以下の手順で設定しましょう。
iPhone
[設定 → モバイル通信]を開く
「モバイルデータ通信」をサブ回線に設定
主回線を楽天(音声)に設定
[モバイルデータ通信の切り替えを許可]をオン
Android
[設定 → SIM(モバイルネットワーク)]を開く
「データ」をサブ回線に設定
「通話・SMS」を楽天に設定
[自動データ切替]をオン
この設定により、混雑した屋内や地下でもデータ通信は自動で強い回線に切り替わり、通話は楽天のまま維持できます。
もし屋内で繋がりにくいなら、端末を窓際に置いてテザリングするだけでも改善します。電波が掴めないときは機内モードを10秒ほどオン→オフで掴み直し。電池が気になる場合は5Gの常時オンを外すか、必要な場面だけオンにすれば安心です。
5. 利用者の体験談から学ぶ
実際に楽天モバイルを使っている人の声を聞くと、次のような意見が寄せられています。
ポジティブな意見
「以前は地下鉄で圏外になっていましたが、プラチナバンド対応端末に変えたところ改善しました」「パートナー回線に自動で切り替わるので、山間部でも他社回線と同じように使えました」。このようにエリア改善や端末乗り換えで満足度が高まる例があります。ネガティブな意見
「地方の実家ではパートナー回線でも速度が遅く、結局別のSIMを併用しています」「5Gが使えると思って契約したのに、対応エリアが狭くて4Gと変わらない」。こうした不満からは、契約前にエリアマップで確認し、必要ならサブ回線も検討する重要性がわかります。
利用者の体験談を参考に、自分の利用環境に合った対策を選ぶことが大切です。
6. まとめ:楽天モバイルで圏外を回避するために
楽天回線だけでは人口カバー率は約96%だが、auパートナー回線を併用すると99.9%以上をカバーしている。
4Gはバンド3(1.7GHz)で建物内や地下に弱いが、2024年6月開始の700MHzプラチナバンドで改善が進む。
5GはSub6とミリ波に対応しているが、現状はSub6が中心。
圏外になったら、モバイルデータ通信・機内モードのオンオフ、再起動、SIM抜き差し、APN設定やOS更新を順に試す。
屋内ではWi‑Fi通話を活用し、サブ回線やデュアルSIMで冗長性を持たせると安心。
契約前にエリアマップを確認し、対応端末やプランを選ぶことが失敗しないポイント。
パートナー回線は2026年9月末に終了予定なので、今後のエリア拡大を注視しつつ、必要なら早めにサブ回線を準備する。
楽天モバイルは毎年基地局を増やし、プラチナバンドの活用や5Gエリア拡大など改善が進んでいます。圏外が気になるときは慌てずに対処法を試し、エリアや端末を見直して快適なモバイルライフを実現しましょう。
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